生地を傷つけないように、慎重に薄皮をはがす。
生地の色、模様、樹皮の厚さ、大きさなどを見ながら、職人は、(この生地の魅力を最大限生かすために、これで何を製作すればいいか)と思案する。
最初から「あれを作ろう、これを作ろう」という計画をもたない。
客から注文を受けても、適した樹皮がなければ製作しない。
逆に、樹皮にふさわしい、と思えば、同じ商品ばかり大量に作る。
この点が、商業主義になじみにくいところです。
「金を払うから大量に作って欲しい」と企業から依頼されることもありますが、
「ごめんなさい、さようなら」です。
職人のテーブル。
この職人は、模様を彫ったり型押ししたりせずに、
樹皮の素材の美しさをそのまま利用した作品を作っている。
写真の作品は、バンダナとブレスレット。
ブレスレットには、天然石(カーネリアン(紅玉髄)、ローズ水晶、メノウ)がはめ込まれている。
白樺の森でキノコ狩り。
白樺の森は明るくて、下草も豊か。
草の間や積もった枯葉の下にあるキノコを探す。
一方、松の森は昼でも真っ暗で、下草がない。
「グリブニック」と呼ばれるキノコ狩りの名人は、森のどこにどんなキノコがあるかよく知っている。
白樺の木の樹皮をはがした跡。
黒い内皮をして白い表皮だけはがせば、4,5年で新しい白い樹皮が現れてくる。
経験を積んだ職人は白樺の回復を考えて慎重に採取するが、
商業主義に走って慎重さを欠いた職人は、
木まるごと切り倒したり、木を枯らすようなはがし方をする。
最上の白樺が取れるトムスク市の周辺は
乱伐が続き、ベレスタ用の白樺はほとんど枯渇しつつある。
美しい白樺。
節や傷の少ない上質の白樺は、100本中1本あるかないか。
白樺の森そのものが目の保養だが、
その中で美人の白樺に出会えれば、思わず「ラッキー!」と叫びたくなる
(街中で美人/美男子を見かけたような気分)。